木製建具と組子細工の歴史について

木製建具と組子細工の歴史について

何かを学ぶならまずその歴史を知ろう!と言うのは私がいつも思っている事ですが、今回は私が携わっている木製建具と組子細工の歴史についてまとめてみようと思います。

 日本において木製建具は607年に建立された「法隆寺」に納められている建具が最も古いものだと言われています。

世界的にみても世界最古の木造建築という事で世界遺産にも登録されています。

その法隆寺にはすでに組子細工も施されており、約1400年以上も前からその時代の職人さん達によって受け継がれているという事になります。

その後も寝殿造りなどの建築技術も発展していくと同時に建具や組子細工の技術も発展していきます。

中でも江戸時代(1600年以降)に多くの種類の模様が生み出され200種類以上の模様が生み出されており、職人たちは自分たちの技術を競い合っていたようです。

徳川幕府に治められていた大きな戦も無い時代だったので、芸術や娯楽はこの頃に大いに発展したそうです。

 しかし、明治以降には海外からの技術も入って来るようになりアルミ材などによって軽量化されて、コストを下げる為に大量生産されたものが主流になっていきます。

2020年代の現在では更に進歩した技術によって、多くの建具が大量生産されたものに置き換わり、職人が一から制作する木製建具はさらに減少傾向にあります。

組子細工に至っても和室の減少や、コストの面でも住宅に取り入れることは現在ではほとんどありません。

需要が減るという事はそれらを制作する職人さんの需要も減り、技術を継承する機会も失われていきます。

テクノロジーの発展は止められないと思うのでこれからも需要は減ってしまうかもしれませんが、1400年以上も伝えられて来たこの技術と知識を途絶えさせないように私が出来る事をこれからもやっていこうと思っています。

 

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